
.jpg)
みんなは「世界遺産」って聞くとどんなものを思い浮かべる?
きれいなお城や、おどろくような自然、すごい昔の町など、いろいろなところが「世界遺産」に選ばれているよね。
でもね、世界遺産の中には、ちょっとちがった意味を持つ場所もあるんだ。
それが「負の遺産」とよばれるもの。
.jpg)
負の遺産?
.jpg)
今日は、この「負の遺産」について、いっしょに学んでみよう!
負の遺産って、どういう意味?
「負の遺産」の「負」は、「マイナス」や「よくないこと」をあらわしているよ。
ふつうの世界遺産は、「人類のすばらしい宝物」として未来にのこしていくもの。
でも負の遺産は、昔人間たちが過ったことや、悲しい歴史をのこすための場所なんだ。
「どうして、そんな悲しい場所をのこすの?」と思うかもしれないね。
それは、同じ過ちをくり返さないためなんだ。
人間は、時々まちがったことをしてしまう。戦争や、差別(人を見た目や出身でばかにすること)、きびしい労働など…。
そうした歴史を「見なかったこと」にしてしまうと、また同じようなことが起きてしまうかもしれないよね。
だからこそ、負の遺産は「記憶をのこすための場所」として、とても大切なんだ。
.jpg)
実は「負の遺産」は、ユネスコで決められたものではなく、当てはまる英語もないんだ。でも、世界遺産を理解したり、平和について考える上でとても大切な言葉なんだよ。
負の遺産(ふのいさん)にはどんなものがあるの?
1. 【ポーランド】アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所(きょうせいしゅうようじょ)

第二次世界大戦のとき、ナチス・ドイツという国がつくった、強制収容所という場所だよ。
ここでは、ユダヤ人という人々が「ちがう民族」というだけで、つかまって、おそろしい生活をさせられ、たくさんの人が命をうばわれたんだ。
2. 【広島県(ひろしまけん)】原爆(げんばく)ドーム

1945年8月6日、アメリカは日本の広島に原子爆弾を落としたんだ。
たくさんの人が一瞬で命を落とし、その後も苦しんだ人が大勢いたよ。
そのときの爆風でこわれた建物の一部が、「原爆ドーム」としていまものこっているんだ。
3. 【セネガル】奴隷貿易(どれいぼうえき)の島(しま) ゴレ島(とう)

アフリカにあるゴレ島は、昔「奴隷貿易」の中心だった場所だよ。
奴隷とは、人間としてではなく「物」のようにあつかわれてしまった人々のこと。
何万人ものアフリカの人々が、この島から無理やりつれていかれ、つらい労働をさせられたんだ。
どうして負の遺産(ふのいさん)が大事(だいじ)なの?
.png)
世界にも日本にも、こんな場所があるなんて知って、すごく悲しいよ。怖くなっちゃった。
.png)
そうだよね。だけど、その気持ちはとっても大切なことなんだ。
なぜなら、「人間は、こんなにひどいことをしてしまった」という事実から目をそらさず、ちゃんと向き合うことが、未来の平和をつくる第一歩だから。
「見ないふり」「なかったこと」にしてしまえば、また同じまちがいをくり返してしまうかもしれない。
だからこそ、わたしたちは「なぜそうなったのか?」「どうすればいいのか?」と考えつづけることが大切なんだ。
さいごに
世界には、たのしいことやすばらしい建物だけじゃなくて、人間の過ちや、つらい歴史もたくさんあるんだ。
負の遺産は、「忘れちゃいけない記憶」をのこしてくれる、大切な場所。
そしてそれは、わたしたち一人ひとりが、「これからどう生きていくか」を考えるヒントにもなるよ。
コメント